【自転車で事故を起こした】あなたの責任範囲はどこからどこまで?

By | 2018年4月11日

こんにちは! えなりかずみです!

みなさん、「過失割合」という言葉を聞いたことはありますか?

当サイトでは、自転車での事故にかんするさまざまな情報をご提供しています。その中でやはり皆さん一番興味があるのは、自分が加害者になってしまったとき、最高でどれくらいの額の賠償責任を負わなければならないのか、というところのようです。

自転車事故の高額賠償金事例
【兵庫県自転車事故】あの高額賠償命令9,521万円の内訳とは

一方で、見過ごされがちですが、いざ事故が起こったとき問題になりやすいことがあります。それは、その事故についていったいどこまで自分のせいなのか、ということ。100%相手が悪ければ事故の損害は相手の責任になりますが、そうでないとき、いったいどれくらいがあなたの責任になってしまうのでしょうか? そしてその割合はだれが決めてくれるの?

事故のとき、それぞれどのくらい落ち度?=過失割合

事故がおこったとき、双方の当事者にそれぞれどれくらい落ち度があったかを一般に「過失割合」と呼びます。法律的には民法第722条第2項を根拠としていて、もともとは、被害者の落ち度を考慮して加害者の責任を減らす、という仕組みになっています。

民法 第722条(損害賠償の方法及び過失相殺)
1 (略)
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

交通事故の場合、どちらが被害者・加害者なのかが明確にしづらいので、過失割合という呼び方が一般的になっているようです。

過失割合の考え方

交通事故では、基本的に
過失割合 = 事故当事者たちの損害賠償額の負担割合
となります。

たとえば、Aさん(90万円の自動車)とBさん(10万円の自転車)のあいだで事故が起こり、どちらも全損となってしまった場合。過失割合がA:B=5:5であれば、
Aさんは10万円の5割=5万円をBさんに、
Bさんは90万円の5割=45万円をAさんに支払うことになります。

あれっ、Bさんが損してる?

これだけ見ると、半分の落ち度のはずのBさんが一方的に40万円損しているように見えますね。ですが、事故で失われたものを元の状態に戻そうと考えると、AさんBさんは元の品物を買い戻さなくてはいけません。すると……

Aさん:同じ額の自動車を買い戻すには90万円、ただし損害賠償額の差し引きで得た40万円が浮くので、手出しは結局50万円(90-40=50)
Bさん:同じ額の自転車を買い戻すと10万円、くわえて損害賠償額の差し引きで40万円損しているので、結局50万円の出費(10+40=50)

ということで、結局は損害額全体の100万円について、AさんBさんそれぞれが50万円分を負担していることになります。(ただし、AさんとBさんでは支払ったお金の内訳が異なります。保険を利用する際に、この違いが大きく関わってくるのです。)

過失割合はどう決まるの? ――交通事故における過失割合

「事故で発生した損害をどれだけ負担しなければいけないか」という考え方を過失割合と呼ぶことは上にみたとおりです。では、実際に過失割合はどのように決まるのでしょうか?

もしあなたが交通事故にあってしまったとき、警察を呼べば、事故の状況・態様を確認して実況見分調書を作成してくれます(これがいわゆる現場検証です)。しかし、警察が過失割合を決めてくれるわけではありません。民事不介入といって、警察は事故の損害賠償をどうするかにはノータッチなのです。警察はあくまで、もし交通事故が刑事事件に発展したらということに備えて現場検証をしておくのですね。

では、過失割合を決めてくれるのは誰なのでしょうか?

過失割合は、当事者たち(とその加入する保険会社)が決める

過失割合を決めるのは、事故当事者であるあなたと事故相手なのです。過失割合は当事者たちが話し合い、合意した内容となります。ただし、近年では当事者双方が加入している保険会社どうしが代わりに示談交渉をおこなうことが通例となっています。(このときもし自分が保険に加入していなかったら? ちょっと怖いですよね)

交通事故が起こったら、すぐに警察と保険会社に連絡しましょう

保険会社は、事故の状況をみて双方の過失割合を考えます。このとき、実況見分調書も判断の参考にされます。これは実況見分調書が、警察が作成した客観的な資料であるとされているからですね。

ですので、事故にあってしまったときには、すぐに警察と保険会社を呼ぶことが重要です。あなたの保険会社はできるだけあなたが不利にならないように動いてくれますし、警察は、そのための客観的な証拠を残してくれるのです。

また、保険会社が保険金の支払いをおこなうには、基本的に警察が発行する事故証明書が必要です。警察を呼ばないで済ませてしまった場合、あなたに他の落ち度がなくても保険金が支払われなくなってしまうこともある(!)そうです。交通事故にあってしまったときは、落ち着いてすぐに保険会社と警察に連絡するようにしないといけませんね。

過失割合は当事者どうしで決める、とはいえ……

当事者どうしで決めてください、と言われても、どうすればよいのでしょうか? 当事者双方の保険会社が交渉してくれる場合が多いとはいえ、そのとき、あなたの過失割合はどうやって決められているのでしょう?
ということで、次回は、交通事故での過失割合が具体的にどうやって決められていくのかについて、皆さんにお伝えしていきたいと思います!

→次回【自転車事故の過失割合】事故を起こした場合の責任範囲には、実は定形パターンがある


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小さな娘と、心が当サイトの妃よりはやさしいだろうと思われる妻を持つおだ かずや・30歳です。

自転車で最寄り駅まで通い、電車通勤している私が自転車保険を考えたのは子供が生まれた約2年前。

毎日乗っている自転車で万が一があった場合の家族の生活を気にしたこと、そして何よりも自転車同士、そして歩行者への事故を起こしてしまった際の賠償責任を持つべく加入を検討しました。

缶コーヒーを月々5本くらい我慢するくらいで安全、安心を手に入れることが出来るのであればと加入を決断。

その後、時代の流れに即して増えてきた自転車保険に興味を持ち、自分が今、加入を検討する立場であれば、、、、という視点でサイトを運営しております。


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2 thoughts on “【自転車で事故を起こした】あなたの責任範囲はどこからどこまで?

  1. ピンバック: 【過失割合とは(2)】自転車と自動車の事故、そのとき普通はどうなるの!? | 自転車保険ニュース

  2. ピンバック: 【過失割合とは(3)】自転車事故の損害賠償額はどう決まる? | 自転車保険ニュース

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